あいとわ
原発が吹き飛ぼうとも 少年が自爆しようとも 
その横で僕ら 愛を語り合う

もうすぐ滅ぶというのに 明日は晴れると言うから
「それじゃあ まぁいいか」と 目覚ましをかける 

そんな僕らの日々


僕の愛とは 向こうが透けて見えそうな
それは なんとも 頼りない姿で

仕方なしに 紅い衣をまとい 
愛の 意味のギリギリ端っこを

行ったり来たりで 所在なさげに
おそるおそる あたりを見るのです


銃声が鳴り響こうとも 少女が泣き叫ぼうとも
その横で僕ら 愛を誓い合う

もうすぐ滅ぶというのに せっかくの金曜日と
それならまぁいいかと指をからめ合う そんな僕らの愛

それでも 信じていいかな
嘘と間違いを 乗り継ぐ僕ら

それでも 笑っていいかな
僕のなにかで 君が笑ってくれた時は


君の 涙をいっぱいに溜めたその
笑顔はなぜに それほど美しい

身の丈を遥かに 超える痛みの波を
浴びて それでもなお 笑うからでしょう


原発が吹き飛ぼうとも 少年が自爆しようとも 
その横で僕ら 愛を語り合う

もうすぐ滅ぶというなら なおさら強く握るよ
明日は晴れると言うなら お気に入りの服で出かけよう

冗談みたいな悲劇 絆創膏だらけのメモリー
ありえない顔で明日はこちらを見るけどそれでも僕ら手を握ろう

次の息を 吸いこもう


原発が吹き飛ぼうとも 少年が自爆しようとも 
その横で僕ら 愛を語り合う