10th ANNIVERSARY LIVE TOUR RADWIMPSの胎盤
10th ANNIVERSARY LIVE TOUR RADWIMPSの胎盤

2015/11/10(火) @Zepp Namba
LOVE PSYCHEDELICO / RADWIMPS
ライブレポート

 今年デビュー15周年を迎えたLOVE PSYCHEDELICOと、10周年のRADWIMPSの競演。共にアニバーサリーならではの豪華なセットリストに、会場のファンは全身でその音楽を浴び、手を挙げ掌をステージに向け、その喜びを体現した。

 野田洋次郎と同じく、幼少の頃に海外生活を送っていたというKUMI。日本語と英語を自然かつ自由に行き来する歌は、ミクスチャーな歌詞世界に独特のリズム感と魔法のような心地よさを併せ持ち、15年前のデビュー当初、斬新なインパクトを与えた。野田も魅了された一人であり、カラオケにて「Last Smile」を制服姿でキーを4つ上げて歌っていた高校時代を振り返り、一緒のステージに立てる喜びを感慨深そうに語った。

 艶のあるKUMIの歌声、ブルージーなNAOKIのギターに共鳴する深沼元昭のギターを、権藤知彦がユーフォニウムやキーボードで柔らかく包み、Ba.高桑圭とDrs.白根賢一による太い幹のようなリズム隊が気持ちよいグルーヴでバンドを支える。
 初めて彼らのライブを観るファンも多く居たようだが、「Free World」「LADY MADONNA~憂鬱なるスパイダー~」「Your Song」など続々披露される名曲に手を振り身を委ね、そのステージを堪能していた。

 「(LOVE PSYCHEDELICOの) 生声聴いて、ずっと音楽をやってきてよかった。10年やってきて、現在進行形で関わってくれて、あなたたちのものにしてくれてありがとう」と感謝しながらステージに立ったRADWIMPS。

 自己紹介代わりの「ギミギミック」のソロ回しや中盤で披露されるソロバトルは日に日に激しさを増す。より緻密に絡み合うアンサンブルと、よりパワフルさを増すリズム隊。公演を重ねる毎に、メンバー3人へだけではなく、サポートドラムの森瑞希や刃田綴色への声援も増えてきた。
 本ツアーの見所の一つであるソロバトル。本日のリハーサルでも新たなチャレンジと共に5つの音が凌ぎあっていた。一度として同じライブはない。日々進化し続けるRADWIMPSの真摯な姿を目の当たりにした瞬間であった。そのトライアルは大成功、オーディエンスの熱狂がそれを物語っていた。

 この日は10年前を振り返るご当地エピソードも飛び出した。
 10年前に初めてMINAMI WHEELに出演した時のこと。ライブに来てもらおうとアメリカ村周辺にてメンバー自らフライヤーを配っていたという思い出を語ると、恐らく当時はまだRADWIMPSに出会えていなかった人の方が多いであろうオーディエンスからどよめきと驚きの声が上がった。

 本編終了後、鳴り止まぬアンコールに応え「チケット代が200万円に変わるほどのプレゼント(野田)」として観客に届けたのは、当日しかもリハーサル後に急遽決まったというスペシャルセッション。RADWIMPSの3人と、LOVE PSYCHEDELICOの2人が、それぞれマンドリンにギター、ベースと弦楽器を手に登場し、野田が大好きというLOVE PSYCHEDELICO曲「These days」をセッション。5弦奏に華やかなKUMIの歌、そして野田の優しいハーモニーが重なり、幻想的な調べとなり会場に響き渡る。
 「電車大丈夫?」とオーディエンスを気にかけながらもう一曲、と今度はRADWIMPS曲である「Tummy」を共演。KUMIとNAOKIに挟まれ真ん中で歌う野田の幸せそうな表情が印象的であった。

 先輩2人を熱い握手とハグでお見送りした後は、今日一番の大合唱となった「有心論」で、多幸感溢れる一夜を締めくくった。

 次は12日。Zepp Sapporoにて、ゲスの極み乙女。を迎える。

photo : 古溪 一道

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