「RADWIMPS 2014 Document 4×4」
永戸鉄也監督トークライブ 完全中継

11月29日(土) ゲスト・山口智史(RADWIMPS) 司会・ワタナベ(RADWIMPSスタッフ)

永戸鉄也×山口智史

(司会挨拶後、二人を呼び込み)
会場:拍手!!
ワタナベ:最初に一言ご挨拶をお願いします。
山口:こんばんは!けっこう緊張しています…。みんな(映画の)余韻が良い感じだと思うのですけど、たぶんグダグダのトークで台無しにしてしまうかと思います…。短い時間ですが最後までよろしくお願いします!
永戸:今日は夜分深い時間までお付き合いいただき、ありがとうございます。思いを込めて作った映像なのですが、どうでしたでしょうか。
会場:拍手
永戸:ありがとうございます。
ワタナベ:では、お二人お座りください。
永戸さんとRADWIMPSとの出会いをご説明しますと、「おしゃかしゃま」という曲のビデオで途中コラージュが出てくるのですが、それを永戸さんにやってもらい、そのまま「アルトコロニーの定理」のジャケットも作ってもらいました。
以来、全てのアートワークを担当してもらっています。
あのアルバムが2009年ですから、その頃からのお付き合いです。そんな長い関係の中で出来た映像という感じがしています。
今日智史に来てもらった理由の一つとして、この映画がドラムのスティック音で始まるのですが、それは永戸さん、なんでそうしようと思ったのですか?
永戸:リハーサルからツアーまでほとんど全部一緒に回っていて、ライブの前に智史くんが必死になって練習をしているのですが、その時にドラムの練習用のゴムパットを使ってやっている、というのが凄く僕の中で印象的で。何ヶ所か回っている時に、これを冒頭に持って行きたいという思いが出て来ました。
そしてそれを録音しておいて、自分で音を変えたり環境音を切り刻んでサウンドをエフェクトしてみて。編集の一番最後の段階で冒頭にそれを付けて、後ろにもそれを付けてしっくりきました。
ライブの時にRADWIMPSを一番後ろで見ていて、演奏している智史くんの音を使いたかったという思いもあります。音も単純に良かった。
ワタナベ:(ドラムが)上手いから音が良く聞こえる?
永戸:そうそう!上手いから!
山口:すごいドラマチックになってて(笑)。僕はライブ前にゴムパットで練習してるのですが、毎回同じフレーズを叩いてるんですよね。何小節か決まっているフレーズがあって。
それを永戸さんの解釈で良い感じで流れを作ってくれて、実際オレがやってるよりだいぶカッコよくなってて(笑)。
会場:笑
永戸:けどマーチングのいろんなのを見せてくれたじゃないですか。これが一番難しくて、これが簡単で、これを叩いて、なんて。
山口:そうですね。
永戸:だから色々素材はあったんですよ。
山口:その練習曲が沢山入っている練習ブックみたいなのがあって、ナンバー100くらいまであるんですけど、いつも1か2で終わってしまって、
会場:笑
山口:3くらいからけっこう難しくて。1と2しかできないんですよ!とかいう話をしましたね。
永戸:そうそう(笑)。「後半超絶のやつが!」とかいう話をしながら。
山口:ちょっとやってみてよ!とか言われながら、出来ない!みたいな(笑)。それも撮られていたから、あれを使われたら恥ずかしいなと思ってました。
永戸:大丈夫(笑)。
ワタナベ:楽屋に行くといつもタカタカ練習してて本当に偉いな、と思ってました。
さて、映画の順を追って解説をしていきたいのですが、永戸さん。
最初に出てくる男性ファン、「東北にメッセージを~」というあの方はどういう方なんですか?
永戸:あの人は、私ではないカメラマンが撮影したんですが、大阪で東北へのメッセージを集めている男の子を見かけてインタビューをしたんですね。
「僕にとってRADWIMPSは宗教です」という凄く象徴的な言葉が出て来て、彼はあそこ以外の場所でもメッセージを集めてWEBサイトにあげていて。今回このドキュメンタリーをきっかけに、仙台のレコード店にも届けたとか?
ワタナベ:タワーレコード仙台店まで、持っていったようですね。

「RADWIMPS 2014 Document 4×4」
永戸鉄也監督トークライブ 完全中継

ワタナベ:本日4×4のオフィシャルサイトを公開して、監督のインタビューを掲載したのですが、インタビューをした時に「メンバーが見られない風景をメンバーに見せたかった」と監督が言っていて、それはどういった思いだったのでしょうか?
永戸:やっぱり、演者というかステージの上の人は、ファンの状態とか周りのスタッフの方たちとか、直接関わっている以外の姿を見ることが出来ないと思うので、それをメンバーにも見てもらいたかったという気持ちでした。またファンの人には、冒頭に出てくるのはトランポの長内さんという方なんですが、彼の仕事っぷりや言葉を見て聞いて欲しかった。
あの(ジャケットがデザインされた)トラックを各会場でみんな見て、撮影したりするわけじゃないですか。で、それを誰がどういう思いで動かしているのか、というのを見てもらおうと。
RADWIMPSと、その周りの人たちによってRADWIMPSが出来上がっている、ステージが出来上がっている、という風に見てもらえたら、次にライブ行ったときにより面白く見れるんじゃないかと。そんな思いがあって。
ワタナベ:メンバーに見せたかったという映像を観て、智史はどうでしたか。
山口:お客さんの表情とかが近い距離感で伝わって来ました。すごく近いじゃないですか。リアルさとかが違くて。グッときました。より伝わってきました。
ワタナベ:(僕も)グッときました。
会場:笑

永戸鉄也×山口智史

ワタナベ:次に大阪城ホールで、誕生日のシーンがありますが。(智史は)3月20日生まれなので、メンバーの中で一番早く誕生日を迎えます。もう泣きそう、って言ってて。ギターの人はきっとそんなこと言わないと思うんですけど(笑)。どんな感じでした?
山口:いや!出たまんまです!泣きそう!と。会場でドラムに座ってたら、レーザーで「Happy Birthday」って。
大がかりな感じで、みんながコソコソ準備してくれたというのが凄く嬉しくて。ああいう言葉が出てしまいましたね。
ワタナベ:(僕も)グッときました(笑)。
会場:笑
ワタナベ:その後、生音が聞こえない、イヤモニが聞こえない、とやりとりしているシーンがありましたが、誰とどんな話をしていた状況ですか?
山口:僕のドラムをチューニングしたりサポートしてくれる、スズっていうスタッフの一人なんですが、その人と毎回毎回返ってくる音の作り方を結構相談しながらやっている状況ですね。
ライブハウスとアリーナとだと、全然状況が違う感じなんです。
それをやっぱり毎回より良くしていきたいというのがあって、いつも今日はこういう音が聞こえづらい、とかいう会話を結局最後の最後までずーっとやってましたね。
ワタナベ:その後PAの岩見さんがライブハウスだと大きい音を出すのは簡単だけど、アリーナは難しい、という事を言っているのですが、1万人を超えるお客さんの前でやった次の日に300人の所でやったり、というのは物凄く大変な作業なんですね。機材も全部違いますし。
そういうことをこの規模でやっているバンドはRADWIMPSしかいないと思うんですよね。使う筋肉もそれぞれ違うと他のメンバーも言ってて。そんな苦労が出てると思うんです。その大変さというのを分かり易くお伝えしてくれたらと思うのですが。愚痴じゃなくって(笑)。
山口:なんて言ったらいいんだろう…。今回だと一番多いと約1.8万人とかで。その分パワーを使うというか。200人~300人でもパワーを使うんですけど、パワーの種類がだいぶ違うんです。
技術的なところだとさっきみたいに音の聞こえ方が違うというか、曖昧な感じというか。終わった後の疲れ方が違うんですよね。
ライブハウスは分かり易く言うと、凄い汗かいた!アリーナは、なんか凄い疲れた!みたいな違いがあります。
ワタナベ:スタッフもメンバーも大変なんですね。けど楽しみつつやっているような事を聞いています。

「RADWIMPS 2014 Document 4×4」
永戸鉄也監督トークライブ 完全中継

永戸鉄也×山口智史

ワタナベ:そのあと、智史のインタビューが出てくるんですけど、あれは監督、どんなシチュエーションなんですか?緑が綺麗ですね。
永戸:いま熊本の阿蘇に住んでるんですけど、ツアー終わった後に智史君に旅行に来てもらいまして。その時にインタビューをしました。あそこの場所は友人が立てた小屋みたいなところで、あそこで一時間くらい話して。
山口:結構話しましたね。
永戸:もっと話したか(笑)。その前にも話してるしね。色々プロセスがあって出て来た一言だったし、やっぱこの旅をしてメンバー個々とも交流取れたし、凄い良い時間を過ごせた結果が出たかな、と。
そこまでして、やっと出来た映像です。良い環境だったんで気持ちよく話せませたよね。
山口:気持ち良かったですね!
ワタナベ:インタビューの為に阿蘇まで行った?
永戸:そうですね!遊びのついでに。お風呂入ったりしながらも。
ワタナベ:洋次郎が運転しているシーンがあると思うんですが、それはツアー中に、みんなで永戸さんの家に遊びに行こう!ってなって、阿蘇に向かっているシーンなんですよね。
で、洋次郎が子供と遊んでるシーンが出てくるんですが、永戸さんのお子さんで。かわいいんです。
永戸さんはあと、「狭心症」のジャケットに男の子が写っているんですけど、あの子も永戸さんのお子さんで。
永戸:そうそう!けっこう身近で全部やってるんですよね(笑)。
会場:笑
ワタナベ:割と身近なところでね!RADWIMPS、予算あるんですけどねえ(笑)。

ワタナベ:次に出てくるのが、ライブが終わってワゴンで帰るシーンで、新幹線のUNOまで突入するんですが(笑)。
山口:あれ…僕負けてましたね。
会場:笑
山口:大体負けてましたね。何かっていうと結構UNOやってて、何かっていうと負けるっていう…(笑)。
会場:笑
永戸:結構あれ以外にも、UNOのシーン撮ってるんですよ。何かの時に洋次郎君から、離れた場所に居るのに楽屋の方から「UNOやるから撮って」って呼ばれて!
会場:笑
永戸:行くと、4人がただ普通にUNOしてるだけで。で、しょうがないから回して…。
会場:笑
山口:撮ってましたね。
永戸:飽きてくるとカメラ据え置きにして、フル尺でその模様を撮ってる、というのがいっぱいあって。その結果あそこが撮れたという。
山口:あそこが、一番負けっぷりがハデな時で。
会場:笑
永戸:歴史的大敗でね。だから使ったんです(笑)。
ワタナベ:ビデオ撮影の時の空き時間も、みんなでUNOやってね。
永戸:なんかいい感じでしたね!ライブ直前までやってね。結構直前まで普通にやってたよね。
山口:結構直前まで普通にやってましたね。
永戸:やってたやってた(笑)!本編に出て来ないけど、確かクワがあれは良い気分転換とか言ってたから。
山口:集中力高まるんですか、あれ(笑)。
永戸:わかんない!クワはそう言ってた(笑)。 
会場:笑
ワタナベ:UNOの話を30分してた方が面白いかもしれないんですけど、次にいきますね。

「RADWIMPS 2014 Document 4×4」
永戸鉄也監督トークライブ 完全中継

ワタナベ:その後アジアツアーに突入しますが、初めてのアジアツアーで一番印象に残ったのが韓国と監督が仰ってるんですが。どうでした?初めてのアジアツアー。
山口:凄い楽しかったです。韓国は一発目だったんですけど、ちょっと強烈過ぎて、(ステージに)入ってきたときのお客さんの歓声が今まで聞いたことない音量で。
「ぎやあぁぁーーー」って。
会場:笑
山口:「きゃー」とか「おぉー」とかでなくって、「ぎやあぁぁーーー」
会場:笑
山口:こっちも凄い鳥肌立っちゃって。あれは印象に残ったライブになりましたね。
ワタナベ:監督はどうでした?
永戸:確かに韓国は凄かったですね。他のアジアの3ヶ所に比べても、なんだろ、熱が半端じゃなくて。僕は海外ではあそこのライブが一番良かったし、心動かされる感じでしたね。
ワタナベ:台湾にも行って、みんなで階段上っているシーンがあるんですけど。智史がタピオカをね!どんな味でした?そんな事聞かれても困るか(笑)。
山口:わりと普通の。チェーン店的な味でした(笑)。
会場:笑
ワタナベ:あそこは「千と千尋の神隠し」のモデルになったと言われるところで。暑かったけど綺麗でしたね。
山口:迷路みたいな。みんなはぐれましたよね!
山口:そうそう(笑)。
ワタナベ:現地語でMCをしよう。って言って。アジア4ヶ国の韓国、台湾、香港、シンガポールで、4人がそれぞれのMCをしようってね。
智史が台湾の言葉でやったんですけど、なんか「オバ?ダッ!」って言ってるんですが、あれはどんな意味(笑)?
山口:あれはですね「ハゥマ!」
永戸:ちょっと、もう一回やろうか(笑)。
会場:拍手
山口:…全部覚えてないので出来るところだけ(笑)。
あれ、相当しゃべったんですよ!MCも1ヶ所だけじゃなくて、3ヶ所くらいあって。
あの流れは、確か…「ウォマンシャンツァライ!タイワン!ハゥマ?」って。
「僕たちは、また台湾に来たいんですけど良いですか?」みたいなで。
(お客さんが)「わー!」って来て、
「ハゥマ?ハゥマ?」って、「良いですか?良いですか?」って聞いて、またわーっとなって最後に、
「ツァン!」ってやったんですけど、
会場:拍手
山口:それが向こうの若者のノリでやる「いいね!!」みたいな。
永戸:それを何回もやってたんだよね。
山口:そう、言いたくって。気に入っちゃって(笑)。あまりにリアクションが良くって。
ワタナベ:さすが、ドラマー。
山口:えっ?どの辺がドラマー?
会場:笑
ワタナベ:いや、ウケると何度も繰り出すところが…(笑)。

山口智史

ワタナベ:で、クワが韓国でMCをしまして、智史が台湾で、香港で武田が頑張りました。ボーカルの人はシンガポールで、あの人、「ハロ~シンガポール!」とか言って、自分の得意な英語でMCを。
会場:笑
ワタナベ:その辺は「おい!」て思わなかったですか(笑)?
山口:特に思わなかったです(笑)。
でもみんな、練習した甲斐がありましたね。結構みんな地味に練習したんで。何しろクワが始めの韓国で、俺と武田の想像を超える量のMCをこなして。
会場:笑
山口:「まだ喋るの?」みたいな。それで俺と武田のハードルが一気に上がって。
会場:笑
山口:で、北京語(台湾)と広東語(香港)で言葉が似てたんで、二人で練習して。
ワタナベ:すごい練習してましたね。
アジアでバス移動の時に僕は武田の隣に座っていたんですけど、窓を見てずっとぶつぶつ言ってるんですよ。どうしたのかな~?と思ってたら、MCをずーーーっと言ってるんです。
会場:笑
ワタナベ:途中でノート出して。本番前、唇真っ白になってましたけど(笑)。
本当に尊敬しました!こうやってこのバンドは、いろいろな事を乗り越えてきたんだなと思って。見てて、尊敬しました。御苦労さまでした。
山口:ありがとうございます(笑)。

「RADWIMPS 2014 Document 4×4」
永戸鉄也監督トークライブ 完全中継

ワタナベ:そしていよいよファイナルの沖縄!ファンのみんながマネージャーに届ける物があるんですが、あれは監督、どういったものだったんでしょうか?
永戸:あれはツアーの中盤で知り合ったチャラタカという人で、その人にインタビューを一度して、その時に寄せ書きを集めてるという話を聞きまして。集めてどうするの?って聞いたら部屋に貼ってると言ってて。全部貼り切れないから貼れる分だけ貼ってると。
だったらそれ、渡してあげようか?という話をしたら、それまでにツイッターでみんなに呼びかけて、写真集めてという話にどんどん膨れていって。そして沖縄のファイナルの時に、それをガジュマルの木の下で贈呈するという話をして。そしてマネージャーに出て来てもらって、贈呈式をするというシーンを撮りました。
それだけ皆の思いがあるものだし、こういう機会だからこそ僕らが出て、ファンの人たちと話したりとか、何をやってるとかが見えたからこそ出来たのかなと。
もちろん映像に収めるという目的があったんですが、そういうことも出来たのが良かったなと思ってます。
ワタナベ:垂れ幕をメンバー楽屋の前の廊下に貼って、写真を撮ってツイッターにもアップしましたが、さっきも監督がメンバーに見せたかった風景の一つに垂れ幕もあると思うんですが、どう感じました?
山口:ジーンときますよね。ずーっと、ひとつひとつ、見てました。
自分の思いを伝えられるって、なかなか無いことじゃないですか。それが僕ら4人に向かってきてるんだなというのが、いつもいつも嬉しく思います。
ワタナベ:ホント嬉しいですよね。
それでツアーファイナルが沖縄だったんですが、ライブが終わって、スタッフが全員廊下に集合していてハグするんですけど、その時はどんな気持ちでした?
山口:スタッフみんなの一人一人の顔がすごい温かくて、疲れとか忘れて一人一人、全員に抱き着いてましたね!
永戸:一番泣いてましたね。
山口:ありがとうございましたーー(涙)!って。
会場:笑
山口:あのみんなのあったかい感じが印象に残ってますね。
ワタナベ:今日の映画は12月3日に発売される映像作品の中のドキュメント部分なんですが、沖縄で終わった直後の写真がブックレットの中に入っています。ぜひご覧いただけたらと思います!

永戸鉄也×山口智史×ワタナベ

ワタナベ:では、そろそろ終わりの時間なのですが、立ち見の方も大勢いらっしゃってありがとうございます。最後に来ていただいたお客様に、監督から一言お願いします。
永戸:今日は遅くまでお付き合いいただきありがとうございます!RADWIMPSの今後に更に期待していただいて、彼らが出す作品を楽しみにしていただきたいという事と、この映像がどうだったか、みんなの感想は分からないですが、広めてください(笑)!ありがとうございました!
会場:拍手
山口:今日はみんな来てくれてありがとうございます!
会場:拍手
山口:実際に会うと嬉しいですね!ツアーが終わってからファンの人に会う機会が無かったし、今日ここに来てRADWIMPSの山口智史というのを思い出しました。
会場:笑
山口:最近忘れてました(笑)。
凄いツアーを終えて、次どんなものが出来るのか自分たちも凄いわくわくしてるので、また素晴らしいものができると思います!楽しみにしていてください!今日はありがとうございました!
会場:拍手

写真:柴田寿美