Staff Diary

  • 2008.11.26 あれ。
  • 2008.11.26
    あれ。

    2008年11月26日

    あれ。

    ワタナベです。

    突然ですが、お知らせです。

    塚原マネージャーのパソコンで、事件が起こりました。

    「Mailの、すべての情報が吹き飛びました・・・。」

    良くお仕事をしている皆様、アドレス情報もなくなっているようです。

    応援メールを出してあげてください。

    個人のプライバシーを、こうやってブログを通じて勝手に暴露しています。

    本人に無許可で、堂々と書き込んでいます。

    すみません、ネタがないんです。

    でもこれくらいなら、笑って許してくれるんじゃないかと思って。

    「笑って許してくれるんじゃないかと思って。」

    この一言を出して、何かをやってしまう。

    大変なことですね。

    身勝手なことです。

    思わぬ事態を引き起こす事になったら、どうするつもりなのでしょう。

    (俺だよ、俺。どうするつもりなんだよ。)

    仲が良いからと言って、甘えていますね。

    日本人らしい行為ですね。

    日本は海に囲まれていたため、他国からの侵略を受けにくく、外部からの影響が少ない状態で、発展を遂げて来ました。

    そう言う社会では、自分と他人とで、生活環境や文化にあまり違いがありません。

    そのため、多くを語り合わなくても、分かり合えてしまいます。

    それが良い時もあれば、今回のように「まあ、これくらいならいいだろう。」と、勝手に何かをやってしまう時もあるわけですね。

    我々は、勝手な判断をする前に、常に外部(他人)を意識する必要があるのです。

    そして、誰にでも、どんな民族にも理解できる、高度なコミュニケーションや表現を目指さなくてはならないのです!

    おお、すげえ。

    「メアドがとんだ」ネタが、ずいぶんふくらんじゃったぞ。

    これ、どうやって終わればいいんだろう。

    八百屋の「 すいゃっっせんね。」ネタで、強引に終わる手はもう使えないぞ、ナベ。

    ほかの事書けば良かったなあ。

    「高度なコミュニケーションや表現」って、なによ。

    それが出来れば、苦労しないわよ。

    小さい頃、海外で暮らした洋次郎は、自然とそんなコミュニケーション能力を身につけているのかもしれませんね。

    メルマガ第2弾、昨日お送りしました。

    また送ります。

    いつも、ありがとー。

    あれ。

    (11/27 追記。)
    不適切な書き込みをしてしまいましたので、本文を修正しました。
    申し訳ありませんでした。

    16:24 | Comments(267)

  • 2008.11.21 くるま。
  • 2008.11.21
    くるま。

    2008年11月21日

    くるま。

    ワタナベです。

    メルマガ、始まりました。

    感想を送ってくれて、ありがとう。嬉しいです。

    残念ながら、送信されずに帰ってくるメールも多かったようです。

    メールアドレスの入力ミスと、ドメイン設定の解除がされてなくて、受信拒否になっている場合が多いそうです。

    詳しい注意事項を、Q&Aのコーナーに載せました。
    (難しいので、藤崎に書いてもらいました。)

    「あれ?登録したのに来ないぞ。」と思ったら、再度確認をお願いします。

    アルバムの制作は、着々と進んでいます。

    こないだのスタジオの帰り、くわが車で送ってくれました。

    同乗した洋次郎と、マンザイのような会話をしていました。

    本人達は、普通に話してるのかもしれないけれど。

    みんな、ホントに元気です。

    充実してるんでしょうね。

    車と言えば。

    車も免許も持っているのに、何年も運転していない。

    最後に運転したのは、RADWIMPSがまだインディーの頃。

    Fm yokohamaで、レギュラーをやってた頃です。

    番組が終わるのが、11時。

    ラジオの生放送が終わったら、その日の内容を振り返り、次週の打ち合わせをします。

    その後、急いで洋次郎と終電に飛び乗っていました。

    そのうちに。

    打ち合わせが延びるようになって、番組ディレクターの青木さんが車で送ってくれるようになりました。

    その優しさに、溺れて行ったのです・・・。

    一度知ってしまった甘い汁を、忘れられなくなったのです・・・。

    ホームへの階段を駆け下り、終電に飛び乗るのが、辛くなって行ったのです・・・。

    こんな世の中では、人の優しさがないと渡って行けないのです・・・。

    青木さんが番組終了後の片付をしてるのを、待つようになりました。

    「もうちょっと、時間かかりますよ。大丈夫ですか?」

    「ぜんっぜん、ダイジョブで~す!」

    そう言って、車に乗せてもらっていました。

    そんな生活は、いつまでも続きませんでした。

    そして、事件は起こったのです。

    「俺の運転って、そんなにデインジャー?」事件が起こったのは、慌ただしい年末の事でした。

    ラジオには、年末特番があります。

    それが生放送で、それが朝まで続く場合もあります。

    それに加えて、レギュラーで朝の情報番組(もちろん生放送)を担当してたら、何日も眠れない状況もあるわけです。

    青木さんがそんなこんなで忙しくて、体調を崩していたのです。

    路肩に車を止めて、こう言いました。

    「ワタナベさん、なんか気持ち悪くて・・・。運転変わってもらってもいいですか?」

    その時の青木さんは、マジで顔色がヤバかった。

    いつものように乗せてもらって、悪い事をしてしまった。

    ホントに悪い事をした。と思いました。

    (それ以降、タクシーで帰るようになりました。)

    青木さんは、僕が免許を持っている事は知っていましたが、ずうっと運転していない事は知らなかったのです。

    洋次郎は、僕が免許を持っているが、ずっっと運転してない事も知っていました。

    あの時を振り返って、のちに彼はこう語ります。

    「もう、死ぬんだと思った。終わったと思った。(笑)」

    なんとか無事到着しましたが、ひやひやだったそうです。

    運転してる俺も、ひやひやしてましたが・・・。

    今は、スタッフの中で最もしっかりしていると思える、塚原マネージャーが完璧なケアをしています。ご安心下さい。

    また、クダラナイ事を長々と書いてしまった。

    しかも、自分の恥をさらしてしまった。

    ルパン三世の五右衛門っぽく言うと、

    「また、つまらぬものを斬ってしまった・・・。」

    みたいな。

    ここまで読んでくれて、ARGTGZM。(ありがとうございました。)

    「 すいゃっっせんね。」

    14:28 | Comments(272)

  • 2008.11.14 ね。
  • 2008.11.14
    ね。

    2008年11月14日

    ね。

    ワタナベです。

    メルマガ、登録してくれて、ありがとう!

    多くのアクセスを頂き、一時登録が出来なかった事があるようです。

    ごめんなさい。今は、大丈夫です。

    また、(有)ボクチンと書いてあるので、有料?と思った方もいたようです。

    無料です。フリーです。

    有料で提供するのは、おこがましい感じです。

    (有)ボクチンと言うのは、RADWIMPSが所属する事務所名です。

    「ふたりごと」や「有心論」の時に、店頭で配布したフリーペーパーの名前に、(有)ボクチンを使わせてもらいました。

    (PCでオフィシャルサイトにアクセスすると、NEWSの一番下からダウンロード可能です。オークションなどで買わなくても、ダウンロードで充分です。)

    ライブの終演後に、号外として配ったりもしてきました。

    今回もフリーで発行するので、この名前が登場しているわけです。

    (なんかホントに、スタッフダイアリーらしくなってきたなあ。

    スタッフからのお知らせ。みたいな感じで。仕事っぽくていいなあ。

    今までユルイ内容がひたすら続いたもんなあ。よしよし。)

    本日、第一回をお送りしました。

    喜んでくれた人の声が、こちらにも届いて来ました。

    こちらのほうこそ、本当にうれしいです。

    メルマガくらいで、大げさだけど。
    RADWIMPSとしては、久々の新しい試みです。

    なるべく生の情報をお届けしようと、スタッフ一同がっつりと連携しています。

    期間限定不定期配信。

    漢字が9つも並ぶと、威圧感がありますね。

    期間限定で、しかも不定期。

    こんなに言い訳しないと、メルマガも始められんのかっ!

    すいゃっっせん。

    なるべく喜んでもらいたいなって、何か始める時は、みんなで考えるんです。

    RADWIMPSが大好きだから、RADWIMPSを大好きな人が、大好きなんです。

    ただ、それだけなんです。

    流れがいい感じになったので、ここで終わろうかと思いましたが。

    もう少し、よけいな事を。

    「すいゃっっせん。」と言うのは、良く行く八百屋のお兄さんのモノマネです。

    オジサン!と呼ぶと、「お兄さんね。」とやんわり訂正されます。気をつけて下さい。

    買ったあとに、「ありがとっす。」みたいに、「 すいゃっっせん。」と言ってくれます。

    もっと正確に言うと、

    「 すいゃっっせんね。」です。

    この時に、注意してもらいたいポイントがあります。

    「ね」の発音は、相手に聞こえてはいけません。

    爆弾~BOMBは、ボムと発音します。

    そんな感じで、「ね」は相手に気配を感じさせるだけにしてください。

    発音し終わったあとに、息で語るみたいな。

    ・・・。

    やはり、さっきの「いい感じ」で終わったほうが良かったなあ。

    でも、ちょっと話したい時って、ありますよね。

    「 すいゃっっせんね。」

    なんかね、いつもホントにありがとう。

    「 すいゃっっせんね。」

    02:23 | Comments(418)

  • 2008.11.07 メルマガ受付、始めました。
  • 2008.11.07
    メルマガ受付、始めました。

    2008年11月07日

    メルマガ受付、始めました。

    ワタナベです。

    メルマガを歓迎してもらい、感謝感激しています。

    本日より、登録受付を始めました。
    ケータイで、RADWIMPS.jpにアクセスすると、黒バックに青い文字でメニューが出てきますね。

    新たに、「期間限定メルマガ受付」と書いたコーナーがあります。

    そこから登録をお願いします。
    一番最初に登録したら何かある!と言うわけではありません。

    ゆっくりで、大丈夫です。

    配信ミスのないよう、確実な入力をお願いします。

    実際の配信は、来週から始まる予定です。
    アルバム制作の現場は、日々変化しています。

    詳しいレポートが出来ないケースも多いと思います。

    気長におつきあい下さい。
    メルマガって、忘れた頃に届いたりして、わずらわしい時もあるけれども。

    一番イヤなのは、寝てるときに、着信音で起こされた場合。

    「なんだよお、メルマガかよう。」

    と思うのだが、登録したのは、俺。

    俺なのよねえ。
    やり場のない怒りを抱えながら、今日も元気を出していこう。

    愛と勇気と、RADWIMPS。

    ばばばん。
    コメントや書き込みやブログを読ませてもらってると、深夜まで勉強してる人、今日は夜勤です。と言う人、夜中からスタジオに入る人、そのスタジオで「でけぽん?」と言い合ってる人・・・ いろいろな事情で、寝るのが遅くなる人が多いようです。

    せっかく寝てる時に、起こしたくはないけれど。

    05410-(ん)と言う曲を持つバンドだけに、その辺は、ひとつ。

    そこんとこよろしく。。。
    お待たせしてるぶんだけ、何か動きが合った場合は、最速で皆さんにお知らせしたいと。

    直接、手渡したいと。

    おれたちって、そんな付き合いでやって来たじゃないか。

    (突き合いじゃないよ。ぷー。笑っちゃったじゃねいか。間違えんなよ、俺のMACよ。)

    そうやって これからだって やっていこう
    楽しんでもらえたら、こんなにうれしい事はありません。

    新たな試みを、よろしくおねがいします。

    待ってまーす。

    15:48 | Comments(561)

    • 2019.11.27 天気の子 complete version
    • 2019.11.27
      天気の子 complete version

      2019年11月27日

      天気の子 complete version

      本日リリース、天気の子 complete version。
      サウンドトラックが先にリリースされたから、誤解している人も多いようなのだけど、最初にフルバージョンがあって、そのあとに映画にあわせてmovie editが作られている。
      洋次郎が最初に新海さんから送られた脚本1稿を読んで、感想をカラダの中に落とし込み、何度も読んでしまうと新鮮さが薄れるからと、その核となった印象を大切にして書き下ろしたもの。まず、「愛にできることはまだあるかい」と「大丈夫」が作られた。
      この歌詞を読んで監督は、映画や、帆高と陽菜をより一層理解できたと、ビデオコンテの制作を始める。
      そうしてキャッチボールが始まり、「風たちの声」、「祝祭 feat.三浦透子」、「グランドエスケープ feat.三浦透子」が徐々に姿を現していった。

      ビデオコンテが上がって、フルバージョンの中からどの辺りを使うか、細かい尺が決まって、サウンドトラックに入れるmovie editが制作された。
      順番から言うと、フルバージョンのデモがあって、ビデオコンテを見ながら曲の使い所が決まって、movie editのデモを制作。何度かの修正を経て、movie editを正規音源としてレコーディング。
      最初あった姿とmovie editはかなり変化しているから、もとの形のフルバージョンをレコーディング。そのあと海外用に、「愛にできることはまだあるかい」の英語バージョンをレコーディング。となる。(英語バージョンは限定BOXのみの収録)
      と書いてしまうだけでも大変な作業なのだが、最初のフルバージョン5曲は全て洋次郎が歌っているから、三浦透子の歌のキーに合わせて修正、再レコーディングなど、膨大なエネルギーが注ぎ込まれたものになった。

      ストーリーにも洋次郎は深く関わっていったけれど、ラストシーンのセリフをどうするかも、まさにAADAAKOODAAと、様々なパターンが検討された結果、「大丈夫」になった。その言葉が、「脚本1稿を読んで最初の感想文のつもりで」作った曲の言葉だったなんて、手品みたいだった。脚本1稿の段階では、新海監督はあえて最後のセリフを決め込まないでいたからだ。
      手品の「トランプ一枚引いてください」でドキドキして待っていたら、そのカードがパイナップルを切ったら出てきた!みたいのありますよね?
      さっき弾いたカードが、なんで最初からそこに入っているの?
      最初に書かれた「大丈夫」が、膨大な紆余曲折を経てラストを締める言葉になるの?
      時空や場所が、逆転していくような感覚だった。

      「グランドエスケープ feat.三浦透子」のミュージックビデオを、限定BOXのために新海監督が作ってくれた。
      最初にデータが送られてきて、僕は会社でダウンロードして観たのだけれど、思わず声が出てしまった。鳥肌がたって、新海監督が持っている「天気の子」や、RADWIMPSへの思いが、身体に染み渡っていった。頭で理解したというよりも、身体全身で人の思いを感じられるなんて、テレパシー、超能力かと思った。
      この曲の他に、「大丈夫」と「愛にできることはまだあるかい」のビデオもDVDに収録。
      限定BOXのアートブックは、製本技術の限界を超えて作られた執念の傑作。
      音と、映像と、アートブック。
      「天気の子」が、ググンと立体的に感じられると思うのだけれど、どうだろう。
      手品?超能力?って言葉がでてしまうくらい、ググンと。

      通常盤、限定BOXともに、ツアーの先行抽選受付のシリアルナンバーを封入。

      来年はツアー。楽しみです。

      (追記)
      今回も、ボクチン号外を発行しました。
      オフィシャルサイトのNEWSで、配布店がみられます。
      本日電車に乗っていたら、高校生くらいの黒い学生服グループがやってきて、「試験中だけど、やることねえなあ」と言っていました。普通なら「勉強しろよ」なのですが、気持ちがすごくわかります。
      「試験中だけど」と、「やることがない」。
      それぞれ別々に聞けば変哲のない言葉も、ひと連なりにしてしまうと、なんと味のある言葉になるのでしょう。風邪に気をつけてくださいね。

      ワタナベ

      16:44 | Comments(7)

    • 2019.11.08 How to apply pre-order tickets for LIVE TOUR 2020 for Japan
    • 2019.11.08
      How to apply pre-order tickets for LIVE TOUR 2020 for Japan

      2019年11月08日

      How to apply pre-order tickets for LIVE TOUR 2020 for Japan

      RADWIMPS LIVE TOUR 2020
      How to apply pre-order tickets

       All tickets are sold at RADWIMPS TICKET.

      *In order to apply for tickets, you need to register RADWIMPS TICKET. (Free of charge)
      *All tickets are digital tickets which will be on your “My page” of RADWIMPS TICKET web site.
      *For those who live in overseas can also register, but you must have a smartphone number which can receive SMS.
      *You will able to get digital tickets after the SMS authentication. In order to enter the venue, you must have the smartphone that has same phone number as you received the SMS.
      For more info: https://radwimps-ticket.jp/mp/info_en

       



      Tickets Pre-order(lottery)



      Pre-order(lottery) for the member of “Bokunchi”

      Application period: From NOV 1st 5pm(UPC+9) to NOV 10th
      Lottery result announcement: NOV 16th 3pm(UPC+9)

      *One person can apply for only one show.
      *For those who live in overseas can also be the member of “Bokunchi”.
      *To be the member of “Bokunchi”, you must pay membership fee after registering RADWIMPS account.
      For more info: https://bokunchi.radwimps.jp/articles/about/article/about (Japanese only)

      *****************

      Pre-order(lottery) for those who purchased the CD “Weathering With You -complete version-”

      Application period: From NOV 27th 12pm(UPC+9) to DEC 8th
      Lottery result announcement: DEC 14th 15pm(UPC+9)

      *You can apply for one show by using the serial code enclosed in the CD of “Weathering With You -complete version-” released on 11/27.
      *For those who purchased the pre-order tickets as “Bokunchi” member, you will not be able to apply for the same show.
      *Serial code is enclosed in the CDs. Make sure to have it before the application period ends.
      (Please note that this pre-order is only for those who purchased the CD)

       

       

      Detailes for General Sales (lottery) will be announced later.

      For all info: https://radwimps-ticket.jp/

      20:00 | Comments(0)

    • 2019.07.19 天気の子、観てください。
    • 2019.07.19
      天気の子、観てください。

      2019年07月19日

      天気の子、観てください。

      いよいよ公開された「天気の子」。
      なんて言っていいのか分からない、不思議な気持ちでいる。
      2年間に渡った長い旅。情報解禁まで、誰にも言えなかった。
      そのあいだ、新海監督と洋次郎の「良いものを、凄いものを作るんだ」と言う強靭な意志が、ずっとプロジェクトのど真ん中に帆柱のようにあった。
      我々スタッフは船に乗り込む前に、嵐のように全員ドバーンとかっさらわれて、気づくと乗組員として必死で手足を動かしていた。
      2人を繋ぎ止めて背中を押し続けるのが、川村元気プロデューサー。
      新海監督、RADWIMPS、川村さんを中心に、「君の名は。」と同じ乗組員たちは、前作とは違う遠い地平を目指していた。

      乗組員になれて幸せだったし、あれだけ強い意志と集中力で取り組んだら、新海監督と洋次郎は何でもできちゃうんじゃないかって思った。
      誰かがどこかで、いつもあきらめる。
      もう無理だと、別な道を探す人もいる。
      旅をやめて、船を降りる人もいる。
      あのふたりは一歩も引かずに、絶対にあきらめずに戦い続けた。
      漫画のヒーローみたいだった。
      2年間を振り返ると、とにかくこの意志が凄かったと思う。
      発売中の小説「天気の子」でも、新海監督のあとがき、洋次郎の解説が、最後に掲載されている。ふたりの交差する思いがわかる素晴らしい内容なのでオススメです。

      「君の名は。」よりもキャッチボールは多岐に及び、膨大な迷路が生まれたが、最後には巨大で美しい建築物のようになっていった。
      「曲は全部揃った、これで大丈夫」と監督が言っているのに、「まだ先に行ける」と新曲は作られたし、「ここは歌詞よりセリフを活かして」と洋次郎が言っているのに、監督が「歌詞を聴かせたい」とセリフをカットしたり。

      映画音楽とは、なんと奥が深い作業なのだろうと思う。
      絵とセリフ、効果音。そこにどのようなタイミングで、どのような音量で音楽が入ってくるのが最も映画にふさわしいのか。
      曲が完成してからも、セリフをちゃんと聞かせたいから、チェロの音量をほんの少し下げよう。
      ここの部分は音楽で引っ張りたいから、セリフははっきり聞こえなくても大丈夫。
      ピアノが出てくるのを、あと2秒遅らせよう。
      などのミリ単位の修正で、突然涙が出そうになるほど心が揺さぶられた。
      それは、素晴らしい体験だった。

      また、印象的だったことのひとつに「音響」がある。
      映画館には、家庭には滅多にない音響システムがある。劇場に来て良かったと観客に思って欲しいと、ひとつの音の響き方にも、大変なこだわりが詰まっている。
      文字で描くと「ドーン!」と言う音に、どのくらいの迫力を与えられるか。
      「天気の子」は、劇場で体験する。と言う側面もある。是非劇場で、浴びて頂きたい。

      19日の午前0時、新宿で行われた世界最速上映にみんなで行った。
      監督や洋次郎が、舞台挨拶に立った。
      お客さんの顔を見て、映画が、音楽が、届いたんだって実感した。
      嬉しかった。挨拶が終わった楽屋がわりの廊下で、みんなでたくさん握手をした。

      でもまだこれから。始まったばかり。
      長い長い時間をかけて、高い山の上にあるスタート地点に立ったのだ。
      目の前にはもっと高い山があって、見上げてもゴールはかすんで見えない。
      遠くまで。たどり着こう。

       

      「君の名は。」と「天気の子」のおかげで、アニメーションの素晴らしさ、美しさ、無限の可能性を、改めて知ることができました。良いアニメーションを作ろうと取り組むスタッフの誠実さや粘り強さは、我々も音楽を作るスタッフとして、大変な励みとなりました。
      京都アニメーションの事件で亡くなられた皆様、心よりご冥福をお祈りいたします。
      本当に残念です。

       

      渡辺

      18:37 | Comments(30)

    • 2019.04.10 天気の子
    • 2019.04.10
      天気の子

      2019年04月10日

      天気の子

      やるんです。また、やるんです。
      今まさに、やってるんです。

      「君の名は。」から3年。
      新海監督最新作全ての音楽を、RADWIMPSが担当する。
      「君の名は。」の 公開が2016年で、2017年の後半にはもう、「やるの?またやるの?」と言う空気になっていた。でもまだどこかふわっとしていて、洋次郎と新海監督を、みんなが見守っていたような気がする。誰にも言えないから僕たちスタッフは、「例の件」とか「あの映画の件だけど」と話し合ったりしていた。

      本格的に「やる」となって動き出した当初は、不思議な既視感があった。
      3年前に身に染み付いて、やっと肌に馴染んだと思ったものが、また最初からぶり返していくような。
      「君の名は。」の頃の映画スタッフと会って(みんな素敵な人たちだ)、「お久しぶりです」「また今回も、よろしくお願いします」と、お互い笑顔で。
      RADWIMPSと新海監督を結びつけた川村プロデューサーにも会って、映画の構想、規模、展開イメージなどを聞いた。その帰り道、「また始まるんだな」「ついに始まったんだな」と、ブツブツひとりごとを言っていた。そう言いながら、嵐のような日々にゆっくり入って行くのがワクワクと嬉しかった。

      久しぶりにお会いした新海監督も、あれだけの反響を巻き起こした後なのに、何も変わっていなくて、全てに誠実に向き合う、以前洋次郎が言っていたとおりに、「誰一人も置いてきぼりにしない」強く優しい人のままだった。
      揺るがない意志でプロジェクト全体を牽引して行く姿は、洋次郎にも通じるものを感じる。

      「君の名は。」では、曲の歌詞をより良く聴かせるために、映画のセリフがカットされたり、音楽をもっと聴かせたいからと、シーンが予定より引き延ばされたり(アニメでシーンを延ばすのは、大変なことだ)と、ここまでやらないとダメなの?と思ったくらいにジャムセッションのような応酬が続いた。
      大きな支持を集めるロックバンドが、1年半以上の時間をかけて映画音楽を作っていたなんて異例なことだと思う。

      今回も、一度OKになったものが変更になったり、監督がOKした後に「まだ先にいける」と新たな提案がなされたり。
      音楽だけではなく、物語の展開も監督と洋次郎が話し合ったり。
      作られたシーンにBGMをつける。と言うようなレベルではない。
      このシーンはセリフを無しにして、登場人物の気持ちを音楽で表現したい。など、かつてそうだったように、RADWIMPSと新海監督の壮大なキャッチボールが今も続いている。

      2年間に渡って、映画に注ぎ込まれている膨大なエネルギー。
      映像に、物語に、音楽に、全てに圧倒される体験。
      7月19日全国公開「天気の子」。
      奇跡の作品です。

      ワタナベ

      17:43 | Comments(27)

    • 2019.03.20 ケータイライト点灯に関して
    • 2019.03.20
      ケータイライト点灯に関して

      2019年03月20日

      ケータイライト点灯に関して

      ANTI ANTI GENERATION TOUR 2019に来場される皆さまへ。

      ライブのアンコールでのスマートフォン、携帯電話によるライト点灯に関して問い合わせや質問を頂いている点についてお答えいたします。

      はじめに、開場時からライブ終了までのスマートフォンや携帯電話、カメラ等による撮影、録音は禁止です。
      ライブ本番中は原則として、スマートフォンや携帯電話の使用、演出の妨げとなる行為も禁止とさせて頂いています。

      本来であればアンコールのライト点灯も禁止とすべきなのですが、自然発生的にRADWIMPSに対する純粋なアンコールへの気持ちの表し方としてお客様の中で広がり、あの景色が生まれたものだと受け取りました。
      あのライトで傷つく人や迷惑がかかる人がいないとの判断から例外的にアンコールでのライトの点灯については認めてきました。

      その結果、ルールを守ろうとしている方と、ライトを点灯する方の間に気持ちの齟齬を生ませてしまう結果となり申し訳ありませんでした。この場をお借りしてお詫び申し上げます。

      今後も、スマートフォン、携帯電話によるライト点灯に関しては例外的に認めていく方向で考えています。
      演出の妨げになるようなことや、不快な気持ちになる方が多くいる場合は、改めてみなさまへご理解いただけるようなルール作りを私共よりお伝えさせていただきます。

      なお、終演後のスマートフォン、携帯電話の使用は禁止としておりませんが、ステージ写真の撮影をする場合においても他のお客様のご迷惑にならないようにお願い致します。
      SNSでの発信をされる場合、ライブを楽しみにしている方へネタバレにならないようにご配慮ください。

      ルールは一番に、来て頂く皆さんにライブを楽しんでもらうために、そしてアーティストがより良いパフォーマンスを届けるために存在します。そしてルールや規定はその都度、時代やお客様自身の声によっても変化していくと考えています。
      この先、撮影や録音が可能になるようなルールに変わるかもしれません。
      その都度お客様、アーティストにとって何が最善かを見極め、最高のライブ空間を作れるよう努めて参ります。

      海外公演におきましては、日本国内の公演とは状況が違うこともございます。開演前の場内アナウンスなどで改めてご案内いたしますのでご留意ください。

      RADWIMPS ANTI ANTI GENERATION TOUR 2019 各地会場でお待ちしております。
                                  RADWIMPS スタッフ一同 

      13:00 | Comments(0)

    • 2018.12.12 平成の終わりに、アンチ安泰。
    • 2018.12.12
      平成の終わりに、アンチ安泰。

      2018年12月12日

      平成の終わりに、アンチ安泰。

      いよいよRADWIMPSの新作がリリースされた。

      自分でやっているインスタにも書いたのだけれど、RADWIMPSの音楽は100年後に聴いても素晴らしいだろうけど、やはり今の時代に聴くのが一番深く来ると思う。
      今の時代のタイム感。スピード感。
      コラボの内容も含めて、今の息吹がアルバムに詰め込まれている。
      リアルタイムで聴ける幸せってある。
      7年くらいあたためてきた曲、2年に渡って触り続けてきた曲も、今の時代にチューニングされてピッカピカになっている。

      ロック、ヒップホップ、エレクトロ、合唱(!)全てが挑戦だらけで、こんなに攻め攻めに踏み込んで作られたものってあるのかと思う。
      紅白にまで出たら、普通は安泰な場所に行くんじゃないだろうか。

      平成の終わりに、アンチ安泰。

      ロックバンドが、発展的に自壊するようにトランスフォームして、音楽集団になっていった。僕もこれを読んでくれているあなたも、一緒にとてつもないものを見て聴いているんだと思う。

      新しく作られたRADWIMPSのスタジオで、レコーディングは続けられた。
      自分たちのスタジオだから、土足禁止の場所を作ったり、新しいソファが届いたり、アート作品が飾られたりと、どんどん快適な環境にアップデートされていった。
      メンバーもリラックスして、笑顔も多かったようだ。
      自分たちのスタジオだからみんな鍵を持っていて、洋次郎がひとりでスタジオに入って作業をしていた時間も多かった。
      本当にお疲れ様でした。

      「そっけない」をラジオ局に配る時に、手紙を付けた。
      たくさんのラジオ番組で紹介してもらい、「#RADWIMPSからのお手紙」のツイッターでみんなが繋がってくれた。
      フリーペーパー・ボクチンにも手紙の詳細を書いたり、渋谷のボードに貼り出したりした。良かったら読んでみてください。

      アルバムと同時にリリースされるライブ映像作品は、RADWIMPS史上初めてシングルを核に展開されたツアーを収めたもの。
      新旧取り混ぜたセットリストは、バンドが歩んできた道を見渡せるようで、とても心に残るものだった。
      地元、本拠地とも言える横浜アリーナでの映像作品は、これが初めて。
      メンバーが10代の頃、横浜アリーナで開催されたコンテストで、グランプリを獲ったことが、今まで続くRADWIMPSストーリーの幕開けとなった。
      Blu-rayとDVDには、ブックレットの代わりに、小さなポスターが折りたたんで入っています。お楽しみに。

      (追記)
      久しぶりのプロモーションで、ラジオ収録もたくさんやりました。
      武田の見事な滑舌っぷり、洋次郎のツイッターで聴いてくれましたでしょうか。
      みんなで大爆笑して、「元気のない時に聴くので、データでください」と持ち帰ったものです。新年の御守りにどうぞ。

      16:28 | Comments(37)

    • 2018.06.06 汗ジャケ秘話 汗なのか、雨なのか、涙なのか
    • 2018.06.06
      汗ジャケ秘話 汗なのか、雨なのか、涙なのか

      2018年06月06日

      汗ジャケ秘話 汗なのか、雨なのか、涙なのか

      ニューシングル、本日発売!
      手にとってくれたあなた、ありがとう!
      「カタルシスト」と「HINOMARU」、とても大切な2曲が生まれました。
      お店やツアー会場では、フリーペーパー「ボクチン号外」も配付中。

      今回の「ボクチン号外」用に書いた原稿があるんだけど、スペースが足りなくて載せられなかった、汗ジャケに関するお話。
      発売日だし、せっかく書いたんだし、ここに載せさせてもらいます。

      全然関係ないけれど、今朝目の前を歩いていたオジサンが、クーラーバックをたぶんショルダーバッグとして使っていて、その斬新なスタイルが気になって仕方がない。
      クーラーバックから文庫本とか出すのかな。
      いつでも冷たいジュースが飲めて気持ち良いのかな。
      どうなんだろうか、使い心地や周囲の反応は。
      クーラーバックとバンダナ。
      あなたもいかがですか、この夏。
       
       
       
      「ボクチン号外」

      新曲「カタルシスト」は、野田洋次郎が「スポーツをテーマに曲を作り始めてみたら、面白くなってきた」とスタッフに伝えたのがキックオフとなり動き出していった。
      あっと言う間にデモ音源が届けれられ、スタッフは妄想を始めた。

      スポーツをモチーフとしたシングルをリリースしよう。
      RADWIMPS初のグッズ付きシングルはどうだろう。
      RADWIMPS初のシングルをひっさげてのツアー。
      どんどん膨らんでいった。
      今回は、いろいろと大変で面白かった「汗ジャケ」のお話です。

      スポーツをテーマにしたシングル。
      ジャケットどうしよう。
      グッズ、何にしよう。
      レコード会社のスタッフである僕と堀越はメンバーとも相談して、アートディレクションを博報堂の小野勇介さんに依頼した。
      詳細説明の打ち合わせが終わり、「面白そうですね。少し考えて連絡します」と言われた。

      1週間くらいして、小野さんから電話が。オフィスのレストランで待ち合わせ。
      「歌詞を読みながら、デモ音源を何度も何度も聴きました。スポーツをテーマにした曲だけど、そこから派生したいろいろな感情を受け止める曲だと思ったんですね。勝ち負けではなく、自分の高みを目指していったり、スポーツ選手だけじゃなくて、全部を取り込んでしまう曲。RADWIMPSらしいなって。RADWIMPSってずっと新しいものを提示してきたイメージがあるから、僕がやるなら誰も見たことがないジャケットにしたいなって思いました」

      小野さんがそこでちょっと何かたくらんでるかのように、「ちょっと待っててくださいね」と席を立ち、レストランのカウンターから水の入ったコップをひとつ持って帰ってきた。
      喉渇いてんのかな?と思っていたら、ニヤッと笑ってこう言った。
      「スポーツを、何か別なものに置き換えてみたらどうなるだろう。と考えて思ったのは、汗。スポーツと言えば、汗。ジャケットが、汗をかいていたら面白いでしょう」
      「ジャケットが汗?」
      何かとても大変なことが始まっていくような既視感と、ワクワクがあった。
      「そう、汗。こんな具合に」
      小野さんは、カバンからCDのケースを出した。
      左手に持ち、水の入ったコップに右手の指先を突っ込み、CDに何度か水滴をバラまいた。

      CDは水滴にまみれ、確かに汗をかいているようだった。
      まんまと小野さんのプレゼンに取り込まれ、想定されていたであろうセリフを言った。
      「汗をかくジャケット、面白いけれど、どうやるんですか?」
      またも、ニヤッと笑った小野さん。
      「ジェルネイルってわかります?ネイルサロンが爪にデコレーションして、紫外線を当てると固くなるジェルがあって、それと原理的に似たインクがあるんです。それで汗を作ってCDに吸着させれば、こういうふうに固まるはずなんです」
      面白いと思ったけれど、予算的なもの、納期にどのくらいかかるのか、輸送時に割れたりしないのか、などなど、レコード会社としてのいろいろな心配があったので、それをそのまま伝え、お互い実現に向けて調べてみることにした。

      しばらくして、また小野さんと会った。
      既に印刷業者と打ち合わせを重ね、サンプルを作っていた。
      透明なシールに、水滴が印刷されていた。
      これを工場で手作業で、CDケースに貼っていく作戦だった。
      「わー!すごい!」なんて言っていたら、
      「色が黄色っぽくなってしまっているのと、もっと水滴の丸みが出ないと使えないですね」と冷静だった。
      そう言われてみれば、そのようだった。
      透明なシールを作る過程で、シールに気泡が入ってしまう問題もあるらしい。

      水滴の丸みが出ないのは、インクの硬さを調整すれば何とかなるかもしれない。
      インクを盛った時に、柔らかすぎると重力で横に広がってしまい、丸みが出ない。
      固すぎると、インクに入った気泡が浮かび上がってこれなくて、外に出る前に固まってしまう。気泡はどうしても入ってしまうものらしい。
      気泡はとても小さいので、しっかり出さないと白濁した状態になる。
      こうなると半透明のブツブツになってしまい、水滴には見えない。
      「もう少しな気がするんですけど、なかなか届かない。うまくいかないんですよね」
      インクの固さを何パターンも試しながら、印刷業者に大量のサンプルを発注していた。
      ここまで来ると、ジャケットのデザインと言うよりも、新商品開発や発明の領域である。

      小野さんは、憔悴しているようにも見えた。
      サンプルはすぐに出来上がってくるものではない。待ちながら、時間が過ぎる。
      「もし、やっぱりできなかった」ら、危険である。
      発売延期は、避けなければならない。

      インクに集中して取り組んでいる小野さんに、
      「小野さん、インクの盛りを初回盤で試すとして、通常盤はどうしましょうか。別アイディアも用意できたら安心だし」と聞いてみた。
      「初回盤で、汗ジャケットがもし出来ないとなったら、企画が根底から変わってしまうので、もう少し時間くれませんか。一応ダメだった場合も考えているんですけどね」
      たぶんこの時初めて、「汗ジャケ」と言う言葉が出たように思う。
      ダメだった場合も考えている。
      それを聞いて、一緒に行けるとこまで走ることを決める。

      ところが今度は、堀越が問題を抱えていた。
      水滴がうまくいったとしても、CDケースにシールを貼るのは困難だと工場から言われていた。
      手作業なので、位置がずれるケースが必ず起こる。
      シールだから、一回貼ったらはがせない。
      シールをCDケースの内部に封入する案も出されたが、それだと外から見たら何だか分からない。
      目指しているのは、「汗をかいているCDジャケット」なのだ。
      「汗ジャケ」以外の問題もあった。
      バンダナとCDを、どのようにパッケージするか。
      こちらも専門の業者に来てもらって、ブリスターパックを型から起こして製作することになった。

      バンダナは、RADWIMPSのツアーグッズを作っている会社に発注。
      通常のCDはひとつの業者で全てを製作するが、ブリスターパック、バンダナ、汗ジャケシール、歌詞カード、それぞれが全部別々の業者に発注するしかなかった。
      発売日に間に合わすためには、それぞれの会社が必要な数量を同時に納品し、工場でセットアップをしなくてはならない。
      シングルの発売が発表され、有難いことに見積もりの数を大幅に超える予約が入っていた。
      いつまでにどのくらいの数量を作れるのかを業者に聞くと、「そんなに作れない、間に合わない。そんなに在庫を持てない」と同じことを言われたそうだ。
      「そこをなんとか」と言い続けていた。

      また打ち合わせ。
      堀越から「シールは現実的ではない」と言われても小野さんは、黙っていたけれど表情を変えなかった。
      「実はずっと考えていたことがあるんです。シールだと粘着剤があるので、どうしてもその分透明度が損なわれてしまうんですよね。それと、埃やゴミなどのノイズが入りやすい。少しでも入ってしまったら、一気に下品な感じになってしまうので」
      そう言われて、やはり難しいのか?と。ここまでなのか?とも思った。
      「それで解決策になるかはまだ分からないのですが、シールをやめてしまおうかと」
      「え?」
      まじまじと、顔を見つめた。

      小野さんは、スマホを取り出した。
      「この画面を保護するフィルムって、シールと違って何度でも剥がせるし、透明度も高い。問題は、コストと納期ですね。今調べているんですけれどね」
      「携帯のフィルムかー」
      僕と堀越は、びっくりして顔を見合わせた。
      「と言うことは、CDに貼られたフィルムは、買った人が剥がして窓に貼ったりできるんですか?」
      「そう言う事です」

      小野さんと一緒に気泡の問題に取り組んでいた人は、日光プロセスの鈴木登さんと言った。小野さんから、「印刷において、日本のトップデザイナー達が最も信頼している人」だと紹介を受けた。
      鈴木さんは既に、シールからフィルムへの転向も引き受けていた。
      「不可能を可能にする」鈴木さんが、フィルムに水滴をつけてCDケースに定着できるようにしてくれた。
      まだ課題はいろいろとあるが、水滴と気泡の問題が解決すれば、遂に実現の目処がたってきた。
      堀越が抱えていた工場や業者との問題も、会社全体が脅威のバックアップをしてくれて、解決に向かっていた。
      もう一息。

      シールからフィルムに変更したら、水滴の印刷精度が高まった。
      それで小野さんは、水滴の細かいデザインも加えてみることにした。
      すると本物の水のように、いくつかの細かい水滴が流れてくっついてしまった。
      何回やってもくっついてしまうので、最初からくっつくのを想定して水滴をデザインし始めた。
      小野さんと鈴木さんの執念とも言えるサンプル作りで、とうとうイメージどおりの水滴フィルムは完成した。
      あまりにサンプルを作りすぎて、見なくても指で触ればインクの盛り具合が分かるようになったと言う。

      水滴のインクは同じデザインでも、置いておく時間、乾燥する時間などで、個体差が生まれた。楕円が横長になったり、いびつになったり。
      全てのCDが同じではないのも、面白かった。

      「大変だったと言う思い出しかないです」
      鈴木さんは苦笑いをする。
      本当にありがとうございました。

      ここまで来てやっと、通常盤ジャケットの制作へ突入。
      スポーツをテーマにした曲だから「汗」。
      それをグラフィックにどう落とし込むのか。
      またも小野さんと、打ち合わせ。
      「サッカーのヘディングの写真って、汗が垂れずに飛び散っているでしょ?それって、写真が撮らえた決定的瞬間、歴史的瞬間のようで、スポーツを端的に表しているなと思ったんです」
      「そこから発展させて、浮遊する汗。汗が浮かんでいるのはどうかなって。こないだ洋次郎さんがツイートで、汗ジャケは『もっと言うと 汗と涙ジャケ』と書いていたじゃないですか。そこに寄せてみようと思って。汗を涙に寄せていくと、スポーツ選手より、応援している人の心情も入れられて、よけいドラマチックだなと思ったんですね」
      言いながら、いくつかの写真を出した。
      女性や男性の、顔の周りに水滴が浮かんでいた。
      「ストーリーが垣間見られるような、動画を見ているような静止画。そんなジャケットを作ったらどうかと」

      動画撮影で使われる、水滴を連続した粒で飛ばす機械がある。
      それでモデルの顔の上に水滴を飛ばし、小野さんが指で水滴を散らしたりして撮影。
      実際に撮影した水滴に、別の水滴を合成してデザイン。
      こうやって、あの通常盤ができていった。

      それぞれの過程で、何度もメンバーとミーティングを行ったが、みんながブレずに一点を目指していたから、良いものになったと思う。

      汗なのか、雨なのか、涙なのか

      水滴をめぐって、不思議で珍しい旅をした。
      Road to Catharsis Tour 2018
      あなたも、良い旅を。

      16:36 | Comments(52)

    • 2018.02.21 傑作2曲
    • 2018.02.21
      傑作2曲

      2018年02月21日

      傑作2曲

      2月になって、節分やバレンタインも終わり、新曲が出た。
      映画『空海―KU-KAI―美しき王妃の謎』主題歌。映画もいよいよ、今週土曜日から公開される。
      最初にお話を伺った時は、チェン・カイコー監督、日中合作、制作費150億、と次々繰り出される情報に驚いた。中国全土に、何億もの人たちに、RADWIMPSの曲が届くのかと、実感をともなわずに思っていた。

      とてつもなく大きなプロジェクトだし、国が違えば習慣も違う。変更になることも多かったし、意図が分かりにくいこともあった。
      中国では映画をプロモーションするための楽曲があって、その曲は映画本編では使われない。と言われて驚いたりした。
      『君の名は。』を観に行って「前前前世」が流れなかったら、日本では違和感があると思うのだけれども、あまり気にならないようだ。

      言語も土地柄も違うから、そりゃいろいろあるよなぁ。と勉強になった。
      変更点が続いてどう着地させようかと困っていたら、それを察した洋次郎からメールがあって、二人で食事をしたのが去年の春頃だろうか。ややこしい話は会って直接説明できた方がいいし、曲を作る側の考えも聞けて助かった。

      みんな、タフだ。
      変更やトラブルがあっても、粛々と対応していく。『君の名は。』の音楽制作も1年半に渡って行なわれたし、様々な経験でバンドはタフになっている。
      オリンピックで結果を出す選手は凄い。ゴールに向かって、まっすぐ最短距離を進んでいく集中力。
      RADWIMPSも、ミュージシャンとして数々の結果を出してきた。高いモチベーションと集中力が、他者に感動を与える。

      「Mountain Top / Shape Of Miracle」の2曲。

      中国映画の主題歌だから、何気にそのイメージでと、メンバーの写真もジャケットも、赤のイメージで統一されている。
      壮大な大作映画の主題歌らしく、フルオーケストラを招いてのレコーディング。
      歌のバックにストリングス(弦楽器)を入れることは多いが、フルオーケストラは滅多にない。

      大きなスタジオで、まずは弦楽器をレコーディング。流れる音があまりに綺麗だからと、メンバーは演奏しているブースの中に入って、直接音を聴いていた。
      弦が終わると、金管楽器と続いていく。
      何十人ものミュージシャンがスタジオを出たり入ったりして、素晴らしい構造物のように音楽が立ち上がっていく。
      そこにのせられたボーカルが、本当に見事だ。切々と朗々と。新しい人が出てきたように感じる。

      2曲の英語詞。CDには洋次郎による和訳も掲載。
      とても勇気をもらえる歌詞。こちらもじっくり味わってくれたら嬉しいです。

       

      (追記)
      僕は料理が好きで良くやるのだけれど、正月明けに包丁で指を切ってしまった。
      初めてだったから、すごくびっくりした。
      それからしばらくして、東京に大雪が降った次の朝、車にぶつかってしまった。
      道路を渡ろうとして、車が通り過ぎるのを待って渡り始めたら、通り過ぎたはずの車がバックしてきた。雪の積もる道路をゆっくりバックしてきただけなので、カラダは大丈夫だったのだが、ぶつかったあと道路にぽてっと倒れていたから、びっくりした。道路に倒れて(寝て)いたら、いろいろな人が「救急車呼びましょうか!」と声をかけてくれた。
      初めてだったから、すごくびっくりした。
      そんなこんなですごしていたら、突然8度5分の熱が出た。医者に行ったらインフルではない。薬を飲んで寝てなさい。と1日寝てたら治った。
      良し元気になった!とすごしていたら、3日後に9度4分の熱が出た。風邪終了直後からの別件風邪連続突入(漢字八文字!さすが日中合作映画主題歌)だったようだ。
      こんなことも初めてだったから、すごくびっくりした。

      あまり良くない初めてのことが続いたので、もうあとは良いことしか来ない!と思い込み、宝くじを買いに行った。
      買い慣れていないから、お店に入ってもどれを買えば良いかわからなかった。ロトとかいろいろあって。
      「宝くじって、どれを買えばいいんですか?」
      「え?連番とバラ?」
      お店の人に少し笑われながら、買ってきた。
      未来の億万長者に幸あれ。先に行ってます。(どこに)

      ワタナベ

      15:11 | Comments(20)

    • 2018.01.09 20184645
    • 2018.01.09
      20184645

      2018年01月09日

      20184645

      明けましておめでとうございます。
      今年もよろしくお願いします。

      RADWIMPSは昨年、「君の名は。」オーケストラコンサートを終え、忘年会をメンバーとスタッフでやり、その日が仕事納めのはずだったのだが、なんと追加のスタジオ作業をその翌週に行った。
      そうして休みに入ったのだけれども、新年早々洋次郎は曲作りをしていたりして、やはり今年も精力的。

      こちらスタッフも2月のシングル「Mountain Top / Shape Of Miracle」の準備を進めつつ、年明けからすぐに次の取り組みが始まっている。

      もうすぐ、映画『空海―KU-KAI―美しき王妃の謎』が公開される。
      RADWIMPSが書き下ろした2曲が、チェン・カイコー監督の幽玄な映像とともに映画館に響き渡るのを楽しみにしている。

      楽しみなことが、たくさんある。
      ありがたいなあ、うれしいなあと頑張る。
      もっと楽しいこと、もっとうれしいことを目指して、研ぎ澄まされているうちに、どんどん純度があがっていく。
      今までもそうやってきたけれども、今年もそうなんだろうと思う。

      今後も映画公開日に向けて、いろいろとニュースが続いていくのでお楽しみに。

      前にも書いたけれども、僕はレコード会社にいて、ユニバーサルミュージックのEMI Recordsと言うところで、RADWIMPSを担当している。
      ユニバーサルとEMIと言う会社が合併した時、ふたつの会社の真ん中にRADWIMPSを迎えよう。との思いで、RADWIMPSのレーベルを作ることになった。
      レーベルって何?と分かりにくいかもしれないけれど、RADWIMPSのチームのようなもの。

      メンバーに名前を付けてもらおうと言うことになり、真ん中なら「ど真ん中」、それだと面白くないからと洋次郎が「どん真中(ドンマナカ)」と言い、言葉の響きが面白かったから、それをもらった。
      「ホントにいいの?名刺にも書かれるんでしょ?もう少し考えようよ」と、親切に言ってくれたのだが。笑。

      ドンが、ゴッドファーザーのドン・コルレオーネみたいで面白いなと思った。
      Don Manaccaと言う表記は、イタリアンみたいにしようかと僕がつけた。
      メンバーは、綱嶋、堀越、桂川、佐藤、阿部、渡辺の計6名。
      僕がポヨヨンなので、しっかりした人たちが集まっている。頼もしい限りだ。
      常にあーでもないこーでもないと、RADWIMPSのことを話し合っている。

      ドンマナカと、善木さん率いるマネージメントオフィスの「ボクチン」。
      この不思議な名前の2チームが、RADWIMPSを支えている。
      支えているのか、(RADWIMPSに)支えてもらっているのかと言うと、後者かもしれないけれども。
      まあ、なんと言うか、絡み合っているのです。

      今年もみんなでチカラを合わせて、精一杯お届けします。
      思いを込めて、一生懸命やります。
      よろしくお願い致します。

      成人した皆様、おめでとうございます。
      素敵な大人になってください。
      ポヨヨンな大人にならないように。
      良い一年にしましょう。

      (追記)
      僕も大学の入学式や卒業式、成人式、行かなかった。
      (数少ない)友達と、なんかどこかで遊んでいたのだと思う。
      親に申し訳ないことをしたのかも。お礼くらいは言ったと思うのだけれど。

      オフィシャルサイトのMEMBERS、ときどきボクチン。
      遂に野田洋次郎の「悩み相談室」も登場、「よんくわまんが」も始まりました。
      RADWIMPSデビュー当時はフリーペーパーの企画などで、桑には何度も絵を描いて助けてもらいました。
      「桑原画伯」の名前で書き下ろしていたはず。
      「おかずのごはんのバンドの譜面の本」など初期のスコアブックで、先生の初期の作品が観られるのではと思います。初期の作品の方が、細かい線の書き込みなどは丁寧だった気がしますが。

      17:45 | Comments(22)

    • 2017.12.21 クリスマス
    • 2017.12.21
      クリスマス

      2017年12月21日

      クリスマス

      ご無沙汰しました。
      ACIDMAN Presents「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI”」に出演後、「君の名は。」オーケストラコンサートが終わり、いい加減ゆっくりするだろうと思いきや、来年2月公開のチェン・カイコー監督作品『空海―KU-KAI―美しき王妃の謎』の主題歌が発表となった。

      日本と中国合作の超大作映画からオファーがあった時はびっくりしたけれども、映画に負けない壮大な曲となった。
      2曲ともストリングスと言うレベルを超え、フルオーケストラをスタジオに呼び、綿密な打ち合わせとともにレコーディングされた。
      バンドサウンド、弦、木管、金管、打楽器・・・各楽器が波のようにうねるように重なる中に、荘厳に歌が響き渡る。
      是非じっくりと聴いて頂きたい曲だ。

      「君の名は。」オーケストラコンサートが終わった夜は、メンバーとスタッフで忘年会を開催。
      今年も2月の「君の名は。」English editionのリリースを皮切りに、3ヶ月にも及ぶ「Human Bloom Tour 2017」、シングル「サイハテアイニ / 洗脳」リリース、アジアツアー、夏フェス、LIVE Blu-ray&DVD「Human Bloom Tour 2017」などなど、今年もバンドはフル回転。今年も良く頑張った、素晴らしい1年だったと、乾杯。
      昨年もRADWIMPS2枚とillion1枚の計3枚のアルバムをリリースし、大晦日の紅白~カウントダウンまでフル回転だった。毎年熱狂や感動を生み続けるバンドは、本当にすごいと思う。

      バンドは早くも、次のタームの制作に突入。来年もフル回転なのではと思う。

      もうすぐクリスマス。
      忙しかったバンドにもあなたにも、良いクリスマスになりますように。
      風邪やらインフルエンザやら、気をつけてくださいね。

      (追記)
      会社に行く駅があるビルは、地下がレストラン街みたいになっている。それぞれのお店が人が歩くところにテーブルを出して、その上に食品サンプルをメニュー代わりに並べている。
      食品サンプルって、よくレストランのショーケースに入っている、ゴム?みたいなので作られた本物そっくりのヤツ。
      サンプルの横にお店の人が立ち、「いらっしゃいませー」と声を出している。

      こないだ横を歩きながら、「うわ、この煮物、本物にしか見えないな」と、つい人差し指で触ってしまった。
      そしたらムニュっと生暖かくて、びっくりして立ち止まってしまった。
      え!と思っていると、「いらっしゃいませー」の女性店員と目が合い、「うふふ。それだけ本物なのよ。日替わりメニューだから」と笑われてしまった。
      人差し指についた煮汁を舐めながら、「おいすぃね」と言って立ち去った年末。
      この話の教訓は、「見た目で判断してはいけない」と、「すぐに人差し指は出さない」だろうか。どうでもいいけれど。来年もがんばろう。

      ワタナベ

      18:39 | Comments(34)