「ANTI ANTI GENERATION TOUR 2019」のライブ映像作品、本日リリース。6月から8月までの公演期間中、7月に映画「天気の子」公開を挟みながらの思い出深いツアーとなった。
このダイアリーを読んでくれている人は、コア(?)なファンの方が多いと想像しているので、みんな知っているとは思うのだけど、RADWIMPSは長い間「雨バンド」と呼ばれ続けて来た。野外で何かやると、だいたい雨が降るからだ。そのRADWIMPSが「もう雨バンドは卒業!晴れバンドだ!」と胸を張れるようになったとたん、わざわざ屋内に雨を自分たちで降らすという、感慨深いツアーともなった。
ツアー中、打ち上げ会場に向けて桑と一緒に移動している時に、車の中で話したことがあった。
「今まで野外のライブや撮影で、あんなに雨降らないでくれ!と願って嵐が来たりしてたのに、今回は晴れてる日に屋根の下でライブやって、しかも屋内に雨降らすんだもんなあ。ややこしくなってきたよなあ」
「そうだね、歳をとると、どんどんひねくれてくるんだね」なんて言いながら、笑っていた。
今回、店頭用にフリーペーパー「ボクチン号外」を作るにあたって、屋内に雨を降らせてきたスタッフの裏話を載せた。聞けば聞くほど大変で、本当に薄皮を重ねるような挑戦があっての表現なのだと、分かってもらえるかと思う。
大変なんだけど、みんなどこかで楽しそうで明るい。
それは、達成感があるからだ。
達成感は、人間を向上させるかのように、麻痺性を含んでいる。
木工道具を初めて買った人が、初めて椅子を完成させたら、大きな達成感を覚えるだろう。しかし一度知った達成感はすぐに麻痺してしまい、同じことでは満足できなくなる。より大きな達成感を得るために、次はもっと高度なものを作りたくなる。
そうやって物事は、複雑化していく。「歳をとると、どんどんひねくれてくる」という表現も、間違いではないのだ。
RADWIMPSの有料ファンサイト「ボクンチ」、「なんか作ってみようかな」のコーナーでは、最初は木でピックを作っていた武田が、今は本格的にベースのボディを削り出している。写真を見るといきいきとしていて、充実感のある顔をしている。完成して音を出した時の達成感は、大変なものだろうと思う。乾杯とかするんだろうけれど、僕がどれどれと、出来上がったベースを見に行って乾杯しても、そこに達成感はない。武田と一緒に苦労をしてきた仲間だけが、味わえるものがあるはずだ。
なので大変なことが起きた時、大変であればある程、乗り越えた時の達成感や充実感は大きいと思って、できることを積み重ねるようにしている。
新型コロナウィルスの拡大で、大阪公演が延期になってしまった。
振替公演を実現させようと、ライブスタッフは大変な努力を続けている。もしいつか京セラドームに集まれたら、その時は何倍もの思いが溢れてしまうだろう。
東日本大震災で延期振替となった、「絶体延命ツアー」の東北公演もそうだった。開演前から既に、お客さんが詰めかけている会場も、メンバーやスタッフがいる楽屋周りも特別な空気に満ち満ちていた。みんなで震災を経て、振替公演に来られなかった人たちの分まで、延期になったライブを再現しようという、厳かな力強さがあった。
これから行われる、RADWIMPSだけではなく様々なアーティストの振替公演も、そんな力強いリユニオンになるはずだ。
どうか皆様、ご無事で。
こんな時にリリースされるライブ映像作品、大切な意味があると信じて、心を込めてお届けします。
(追記)
中国で先行配信されている「Light The Light」、その他の国・地域でも聴けるようにと、洋次郎を中心に鋭意作業中です。全てに優先されているのは、「いち早く、みんなが聴きやすい状態に」です。
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