ワタナベです。
セプテンバーになりました。
いろいろと、皆さんの愛が溢れていますね。
なんか、昔話シリーズのようになって来ましたが、引き続き。
こんどは、「タユタ」のビデオのお話です。
この曲の原型は、かなり前からありました。
アルバムの中で最初に作られた曲が、「タユタ」と「37458」
2曲が出来た時から、アルバムの最初と最後の曲にする。と、決めていたそうです。
そんな事もあり、アルバムの冒頭を飾る「タユタ」のビデオ制作が決まって行きます。
監督は、前回同様に掛川さん。
「おしゃかしゃま」の撮影前、セットを組んでいる時間を使って、プロモーション用の写真を撮ることにしました。
アーティスト写真と呼ばれるものです。
店頭でも目にしたと思いますが、洋次郎がうつむいている4人の写真は、この時撮影されました。
いろいろな場所で撮影しながら、スタジオの屋上に行った時です。
掛川さんが、様子を見に来ました。
(監督も、セットが出来上がるまでは、そんなにやる事なかったみたいで。)
両手を空にあげて、「いい景色だなあー。」と、伸びをしています。
この時点で、「おしゃかしゃま」の次に、「タユタ」のビデオ撮影もお願いしていました。
「洋次郎が、車に乗っている映像がメイン。」と言う事も、決まっていました。
そのため、撮影に適した駐車場を、いろいろと探していたそうです。
屋上から見える大きな駐車場に目をとめ、「あの駐車場いいんじゃない?タユタ。タユタの撮影に。」
あとから聞いたのですが、わりと(かなり?)思いつきやひらめきで行動するタイプだそうです。(笑)
早くもスタッフがその駐車場に向かい、撮影場所として決まってしまいました。
「おしゃかしゃま」の撮影が終わって、間もない2月。
我々は、「タユタ」の撮影で、また同じ場所に集まりました。
(屋上から見えた駐車場だから、当たり前だけど。)
明け方のシーンもあるので、夕方集合。
長い夜の、始まりです。
屋上に、洋次郎が乗る車が置かれ、その周りを多くの機材が取り囲んでいます。
ライトが点滅し、雨を降らせるリハーサルも、行われています。
このビデオは、車の窓を流れる雨の滴が、重要な役割を果たしています。
うまく滴が流れますように!と、全員が息を呑んでモニターを見つめています。
「おおー、いいね、うまく流れた!」なんて、こちらで言っていると、監督よりひと言。
「今の良かったねー!よーし、もう一回!」
あれ。やはり「もう一回なんだ。そう来ると思ったんだよなあ。」と言わんばかりに、
「オッケー、次のシーンやろう!」と言われるまで、スタッフも持ち場を離れようとしません。
いいコンビネーションと言うか。
「良かった!って言われても、信じちゃいけないんだ。」と、わかっていると言うか。
ただ、何度も「もう一回!」をやっていると、夜が明けてしまいます。
その時には、夜明けのシーン撮影の、準備が出来ていないといけません。
天候は、待ってくれません。
その辺が、大変だったようです。
かなり寒い、真冬の屋上。
洋次郎の撮影は車内のシーンなので、どうしても薄着でいる事が多くなりました。
コートを着ているスタッフが、「寒い、寒いよー。」とつぶやいているのに、洋次郎は、一度も寒いと言わずに、淡々と撮影をこなして行きました。
夜明けのシーンも無事終わり、すっかり空が白くなって来た頃。
スタッフから、「以上です!洋次郎さん、おつかれさまでした!」と声がかかり、拍手が巻き起こります。
ああ、寒かった。帰ってお風呂に入って、眠りたい。
と思いましたが、「アルトコロニーの定理」のジャケットの確認をしないと、発売日に間に合いません。
ジャケットデザイナーの永戸さんも、やって来ています。
着替えもそこそこに、その作業へ。
洋次郎には、大変な一日だったと思います。
レコーディングで、もっと大変な日々を過ごしていたので、慣れてしまっていたのかもしれませんが。
その後、怒濤の取材スケジュールをこなしながら、スタジオで「タユタ」を完成させ、皆さんに届ける準備が整えられて行きました。
そう言えば。
先日、ライブハウスでばったり永戸さんに会いました。
フリージャズのライブを、とっても楽しそうに観ていました。
僕もビールを頼んで、ゆるゆるとしておりました。
そんなこんなで、明日も元気に過ごします。
皆さんも、お元気で。